「岳」2月号 今月の秀句
騎士の眼を据ゑ白鳥となりにけり 岩上諒磨
丁半で決めし結婚冬うらら 芳川莞久子
宮坂静生推薦 30句と句評はこちらをご覧ください。
2月例会は以下の通り開催されます。
日時:2月4日(日)選句締切12時
※詳細は「岳」1月号をご参照ください。
開催場所:東京都 江東区総合区民センター
「岳」2024年1月号で第41回前山賞・第44回岳俳句会賞受賞者が発表されました。
第41回前山賞
有手 勉
山崎 妙子
第44回岳俳句会賞
篠遠 早紀
森山 夕香
山﨑 和之
句集『たまゆらの霧』田中利政
発行日:2023年12月28日
発行所:岳書館
『たまゆらの霧』十句
一滴に一滴の空露葎
稚児車たまゆら霧の掠めけり
雪渓に幾千万の時空かな
青春の墓標はるかに雲の峰
星今宵刻は零れてゆくばかり
垂直に切り立つ岩場星鴉
滝谷の昏き奈落や日雷
透析の窓一枚に春の景
蘖やつひに噴かざるわがマグマ
潔き裸木として風の中
(抄出 小林貴子)
「岳」1月号 目次はこちらです。
「岳」1月号 主宰宮坂静生の句はこちらをご覧ください。
「岳」1月号 編集長小林貴子の句はこちらをご覧ください。
句集『蝦夷富士へ』 許勢元貞(こせ・もとさだ)
発行日:2023年11月22日
発行所:角川書店
『蝦夷富士へ』十二句
蝦夷富士の襞深くせり大枯野
降りしきる雪石狩平野(いしかり)を養へる
雄冬より望む積丹木の根明く
鍋破(なべこわし)酒は生酛の日向燗
乾鮭を嚙むや襟裳の日と風と
海獣の魂の叫ぶよオホーツク真冬
先祖(さきつおや)いづくより来ぬ露の道
縄文の呪文よオショロコマの斑は
根の国の底から吹雪生まるるよ
八月来湯浴みの妻の神隠し
跳人(はねと)の鈴一つひとつにをどる霊
諾へず海を見てをる海鼠かな
(宮坂静生選)